首尾一貫感覚を利用したモチベーション管理方法

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みなさんは「首尾一貫感覚」という言葉をご存知だろうか?
首尾一貫感覚(SOC : Sence of conherence)とは
アメリカの医療社会学者であるアーロン・アントノフスキー氏が提唱した理論で、
ストレスに適切に対応するために必要なスキルを示したものだ。

この首尾一貫感覚は 3つの能力で構成されており、

  • 把握可能感
  • 処理可能感
  • 有意味感

が重要であるとしている。

能力やスキルという言葉で表現されるが、
単純に「感覚」という表現の方が私はしっくりくる。
端的に言えば、
「ストレスに屈する事なく 物事をやり抜くためには
これら3つの感覚・実感を持っている(感じている)ことが重要ですよ」
ということだ。

以下、各項の説明を簡単に・・・

把握可能感 ( comprehensibility )

物事の全体像や自分の周りを取り巻く状況、
あるいは障害となる要素や取るべき行動が
ある程度把握・理解できているという実感
あえて関西弁で言い換えるなら「わかるやん」

処理可能感 ( manageability )

把握可能感を前提とし、
それらの状況や障害に対し
ある程度対応できるだろうという感覚
言い換えるなら「できるやん』

有意味感 ( meaningfulness )

やろうとしていることそのものに
意味があるという感覚
やりがいや意義を見出している状態とも言えるだろう。
こちらも関西弁で言い換えるなら「おもろいやん」

わかるやん・できるやん・おもろいやん
この3つの感覚を持っていることが 物事をやり抜くためには必須なのだ。

この理論は人材育成やマネジメントにおいて活用されており
部下やチームメンバーのやる気(モチベーション・動機付け)を引き出す場面や
セルフモチベーションコントロールにおいて
非常に有用な考え方である。

人を動かすという点で言えば
アリストテレスが残した
「ロゴス・エトス・パトス」
という言葉も有名だ。
詳細は別途調べていただければと思うが、
簡単に説明すると、
人を動かすには
ロゴス(論理)・エトス(倫理)・パトス(情熱)
が揃わなければいけないという意味である。

このアリストテレスの言葉も含めて考えると
人を動かすためには
(あるいは自分自身を奮い立たすためには)
「ロゴス・エトス・パトス」を駆使して
対象となる人物(自分も含む)に
「首尾一貫感覚(把握可能感・処理可能感・有意味感)」
を引き起こさせることが必要なのだと言えるのではなかろうか。

部下や仲間が中々協力してくれない時、
これら首尾一貫感覚のどれかがかけていることが原因かもしれない。
一度じっくり傾聴・観察してみてはどうだろうか?

私たちは誰もが
仕事において、プライベートにおいて、
日々様々なストレスにさらされている。
寄せては返すモチベーションの波に翻弄されないよう、
この記事が少しでもあなたのためになれば幸いだ。

余談だが一時期、嵐の櫻井翔さん主演のドラマで取り上げられ、
脚光を浴びた「ペップトーク」などでも首尾一貫感覚の理論が
取り入れられているそうなので、
気になった方はこちらも調べていただけると得るものがあるやもしれない。