あなたの人生はあなたのもの。アドラー心理学から学ぶ「課題の分離」
アドラー心理学とは20世紀初頭に活躍した
心理学者アルフレッド・アドラー
によって確立された心理学だ。
この心理学は
人の生き方を考える上で
非常に参考になるエッセンスが詰まっている。
今回はその中から
「課題の分離」
という概念について紹介したいと思う。
人間関係に悩んでいる人や、
周囲の目が気になって窮屈だと感じている人に
ぜひ参考にしてほしい。
きっと何らかの解決のヒントになると思う。
まず、「課題の分離」を説明する前に、「課題」とは何か?
これは個人の人生において、
乗り越えなければならない壁であったり、
自分自身で答えを見つけなければならない問題のことである。
広義的にはその人の「人生」そのものとも言えるかもしれない。
「課題の分離」の根幹の考え方とは、
人それぞれに抱えるこれらの「課題」に対し、
何人たりとも踏み入ってはいけないし、
また踏みいらしてはいけない。というものだ。
具体的な例を参考に解説していこう。
例えば、進学の選択を迫られている親子を想像してほしい。
子どもは進学せずに就職したいと考えている。
一方で親は進学してほしいと望んでいる。
進学するのか?それとも就職するのか?
という「課題」に直面しているわけだ
ここでまず考えるべきはこの課題は誰のものか?
ということ
結論から言うとそれは「子ども」自身の課題なのだ。
なぜかというと、進学・就職いずれの道を選択するにしても、
その結果を背負わなければならないのは子ども自身だからだ。
いずれの道を選択しても、
たくさんの後悔や喜びが今後待ち受けている。
それら全て享受すべきは子ども自身なのだ。
自分の課題から逃げた場合、
つまり親の言いなりになり、進学したとして、
その後降りかかってくる後悔や苦悩といった課題を
自分のものとして受け止めることは非常に難しい。
他責にしてしまうことに繋がるのだ。
自分の課題から逃げるという行為は、
自分の人生のコントロール感を失ってしまうことにつながる。
そういった意味で自分自身の「課題」とは
何人たりとも立ち入らせてはいけない大事な権利でもあるのだ。
ではもう一方の場合を考えてみよう。
つまり子どもが親の反対を押し切って就職したとする。
当然、親は複雑な気分だろう。
この時、子どもの選択に対し、
「心の折り合いをつける」というのは親自身の課題である。
それでは、親は子どもの進路に口出ししてはいけないのか?
親なら子どもの将来を心配するのは当たり前だ。
もちろん進路選択に対して親としての希望を伝えたり、
アドバイスをしてはいけないなんてことはない。
ただ忘れてはいけないのは
「決めるのは子ども自身」
でなくてはいけないということだ。
このように、
それぞれの行動とそれに対する周囲の反応は
個々人の「課題」であって、
これを分離して考えなければならない
という考え方が「課題の分離」である。
この考え方は自分が自分らしく生きるために大切な考え方ではないだろうか?
社会の中で生きていれば人は常に他人の目にさらされる。
ましてやSNSや様々なコミュニケーションツールが発達した現代においては
便利になった一方で自分らしく生きれていないと感じる人は
少なくないのではないだろうか?
周囲の目線や意見に流されるがままの人生は、自分の人生ではない。
あなたの人生はあなたのものであり、他の誰かのものではない。
酸いも甘いも人生を噛み締めることができるのはあなただけの特権なのだ。
そして最後に、この記事を受け入れるか否かもまた
あなたの「課題」であり、自由だ。
私に踏み入る権利はないのである。
参考書籍
嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え [ 岸見一郎 ] 価格:1,620円 |
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