正しい判断を下す為にビジネスパーソンが意識すべき6つの手順

正しい判断を下す為にビジネスパーソンが意識すべき6つの手順

ビジネスパーソンは
日々様々な判断を迫られます。

責任が大きなポジションであればあるほど、
判断の重要性や難しさを感じる機会も増えるのではないでしょうか?
どのように考え判断すれば、
納得感のある正しい選択ができるでしょうか?

今回は、
正しい判断を下すために有用な
考え方をご紹介します。

何について判断するのかを明確にする

今回は製造業を例に、
どのように判断していくのかを見て行きましょう。

製造業では日々、商品について
正しいものが作れているか?
という点について
小さな物から大きな物まで数多くの判断業務が発生します。
一言で「正しい商品」といっても
担当部署やポジションで
正しいか正しくないかを判断する視点は異なるでしょう?

例えば貴方が食品メーカーの商品開発担当者であるなら
「味や匂いなど官能面で要求水準を満たしているか」
が判断する内容になるでしょうし、
品質担当者であれば
「衛生的で安全か」
が主な判断基準になってくるでしょう。

業界や会社によって違いはあるでしょうが、
各担当によって責任を持つ項目はある程度決まっているものです。
自分の使命がどこにあるのかをはっきりさせ

何について判断しなければならないのか?
を明確にすることがまずは重要です。

何をもとに判断すべきかを明確にする

先に述べたように、各部門レベルであれば
ポジション毎の使命から判断する内容
いわば「責任を持つ範囲」は限定されるでしょうが、
より上級のポジション(各部門を統括するような部長クラス以上)であれば、
全体を見渡して総合的に判断することが必要になってきます。

その際、どのように考えれば納得間のある正しい決断をすることができるでしょうか?
そのためには、まず判断に必要な要素(情報)を明確にするべきです。

例えば、機器類メーカーでトラブルが発生し、
商品を出荷すべきか否か判断を迫られたとしましょう。
この様な場合、
Q(品質)、C(コスト)、D(納期)
に関して正確な情報を揃えることが非常に重要になってくるでしょう。
・機能面で要求水準を満たしているか?
・対応に関わるコストはどの程度なのか?
・納期に間に合うのか?
これらに関して正確な情報を揃えることがまずは先決なのです。

事実と推測を切り分ける

正しい判断をするためには、
正確な情報を揃えることが重要だと先に述べましたが、
「正確な情報」とは何なのでしょうか?
それは目で見た「事実」です。

まさしく「百聞は一見にしかず」で
聞いた話だけで重要な判断を下すことほど危険なことはありません。
正しい判断をするためには、
徹底的に「事実」にのみフォーカスを当てて判断することが重要なのです。

判断をする際、
その重要性・規模が大きくなればなるほど
集めなければならない情報量は増えて行きます。
経営陣クラスが判断する場合は
その一つ一つを自分の目で確認している暇はないでしょう。
ですから、それぞれ情報収集に当たる部下が
徹底して「事実」と「推測」を切り分けて報告しなければなりません。

ビジネスパーソンたる者
普段から何事においても
「事実」か?「推測」か?
きっちり切り分けて考えることが非常に重要なのです。

優先順位を明確にする

判断材料とすべき要素を明確にする事の重要性は先に述べました。
先ほどの例でいえば、
QCDそれぞれについて正確な情報が集まったとして
正確な判断を下すにはもう一つ重要なことがあります。
それはこれらの要素の優先順位を明確にするということです。

QCDは本来、その全てを満足させる「三方良し」の状態が理想とされますが、
トラブルなどの場合、どれかを犠牲にせざるを得ない局面がほとんどでしょう。
これまでの例で考えてみれば、
・品質を犠牲にして、不良品を出荷するのか?
・高いコストを払ってでもなんとか納期までに良品を届けるのか?
・納期を犠牲にして遅れてでも確実に良品を届けるのか?
のいずれかを選択しなければならないのです。

一つ目の選択肢については、
直感でも間違いであるということは気づくでしょう。
それではどの選択肢を選べば良いのでしょうか?
そこで重要になってくるのが優先順位です。
企業や業界によっても優先順位は異なる可能性はありますが、
概ね、
①品質
②納期
③コスト
という優先順位になるでしょう。
この場合、取るべき選択肢としては2つ目の選択肢
「高いコストを払ってでも納期までに良品を届ける」
が正解になるのです。

合格ラインを明確にする

先ほど
「高いコストを払ってでも納期までに良品を届ける」
ことが正解になると言いましたが、
疑問を持たれた方もいるのではないでしょうか?

例えば、
不良品といえども、
その程度は様々でしょう。
・機能面で要求水準を満たしていない
・機能面では要求水準をクリアしているが傷がついていて見た目が悪い
前者であればそれはれっきとした不良品
後者であれば要求される機能を保持しているなら膨大なコストをかけて
わざわざ再製造する必要はないではないでしょうか?

このように、不良の度合いによっても
とるべき対応は異なります。
つまり
どの程度の不良レベルなら問題ないのか?
この場合であれば
【機能面での要求水準】
を明確にすることが肝要なのです。
この要求水準をクリアするならOK、クリアできなければNG
社内で議論し、この合格ラインを設定することで
判断の精度は格段に上がります。

判断ツリーを共有する

ここまで、
正しい選択をするための思考法を見てきました。

判断する内容を明確にし
どのような要素の判断材料が必要かを明確にし
さらにそれらの要素に関して正確な情報(事実)を揃え
そしてそれぞれの要素について判断の尺度を定義しました。
以上の手順で正しい選択ができたなら
その判断基準を判断ツリーという形で見える化しましょう。

こうすることで、
どのような経緯で最終の結論が導き出されたのか
より説明しやすくなります。

そして、何より
この判断ツリーを共有しておくことで、
再び同様の事案が発生した場合、即座に結論を導き出すことができ、
労力を最小化することができるのです。

さらに企業という組織においては
その時々に応じて異なる人間が判断者となり得ます、
その度に判断が変わってしまっては、
社としての軸がハッキリせず、
説得力のないものになってしまいます。
説得力のない結論では周囲からの納得は得られません。
周囲の納得感を得て初めて、
組織全体が同じ方向を向いて動き出せるのです。
組織の中でよくある事例に関しては
判断ツリーを作成・共有するように意識しましょう。

最後に

ビジネスにおいてはそのポジションにより事の大小はあれど
様々な判断業務が発生します。
特に、部下やメンバーに指揮を出すポジションであれば
その数も質も膨大になるでしょう。

個人差はあれど人間が1日の間で判断できる数には限界があります。
限界を超えてしまうと正常な判断力が失われ、大きなミスに繋がり兼ねません。
できる限り判断軸を明確にする事で、
よりシンプルに物事を考え、判断による疲労を軽減することがとても大切なのです。

今回ご紹介した思考手順は、ビジネスの枠にとどまらず、私生活において様々な場面で役に立ちます。
日々正しい選択を積み重ねて人生を実りあるものにしましょう!!