【瞑想】5つの効果とその実践方法

【瞑想】5つの効果とその実践方法

Googleでも取り入れられている事で有名な「瞑想」

なんだかスピリチュアルなイメージがあり、効果があるのか怪しいと思ってしまう人も多いのではないでしょうか?

しかし、瞑想は脳科学的にその効果が証明され精神医療において歴とした治療法として確立されています。

今回は瞑想を実践している一人としてその効果やコツをご紹介したいと思います。

瞑想の原理とは

瞑想というとヨガの様に足を組んで背筋を伸ばしている姿を想像される方も多いのではないでしょうか?

ビジュアル的なイメージだけが先行し、その科学的な原理を理解されないために、まじないや宗教的儀式の様に捉えられがちですが、脳科学的にその効果が認められた脳の休息方法なのです。

私たちの脳内では、勉強や仕事をしている時間以外にも脳は活発に働いています。
トイレや食事中、ふとした瞬間にアイデアを思いついたり、閃いたという経験が誰しもあるのではないでしょうか?

私たちの脳内には「DMN(デフォルト・モード・ネットワーク)」と呼ばれる脳神経回路が存在し、日々の何気ない動作の中でも無意識的・恒常的に思考を行なっています。

瞑想とはこのDMNを意識的に停止させ、脳を休ませる行為であり、近年の研究で、多くのメリットがあることがわかっています。


しかしながら、脳の一部では高レベルの活動が見られ、「脳を休ませながらも鍛える」という不思議なメカニズムであることも近年の研究で明らかになっています。

瞑想の効果

瞑想は主に脳の「前頭葉」という部位に大きな効果をもたらすことがわかっています。
前頭葉とは人を人たらしめている部位と言われており、「思考」や「感情のコントロール」などを司っています。
チンパンジーにおいては重量比にして脳全体の7〜10%をこの前頭葉が占めていると言われますが、何と人間においては約30%に達し、私たちが人間らしい営みを送れている事はまさに前頭葉のおかげと言っても過言ではないのです。

では瞑想によって得られる具体的なメリットを見ていきましょう。

①リラックス・幸福感

瞑想中の脳内では「オキシトシン」や「セロトニン」と呼ばれる、いわゆる「幸せホルモン」の分泌量が高まり、リラックス効果や幸福感を得ることができると言われています。
瞑想では脳が全体的に休まっている状態ですが、この幸せホルモンを分泌する部位については非常に活発に動いていることがわかっており、瞑想の熟練度に応じてこの活動量はどんどん向上していくそうです。

②ストレス耐性の向上

脳内には不安や恐怖心を司る「扁桃体」という部位があり、この部位が活発に働くと前頭葉の活動を阻害し、正常な判断ができなくなる等の症状を引き起こします。
さらに、この扁桃体は強いストレスを受けると肥大化することがわかっており、これにより脳機能をさらに大きく低下させることもあるのです。

瞑想にはこの扁桃体を小さくする効果があることが明らかになっており、不安や恐怖心を軽減させることによりポジティブに物事を考え、ストレスに上手く対処することができる様になると言われています。

③ワーキングメモリーの増加

一時的な記憶に関わるワーキングメモリー。
脳内の作業机に例えられ、この領域が強化されると一度に脳内で処理できる情報量が増加し、デュアルタスクなどがしやすくなると言われています。
瞑想ではこのワーキングメモリーを増大させる効果があり、仕事の効率UPなどが期待できます。

④思考力の向上

前頭葉が鍛えられることで、思考力も向上します。
人は動物に比べ、脳の表層にある皮質(灰白質)が発達しています。
理性脳とも呼ばれ、高次機能を担っている部位ですが、瞑想では、前頭葉の皮質の質を向上させることがわかっており、思考力をはじめとする高次機能を鍛える効果があります。

⑤集中力・注意力の向上

これも前述の皮質の質向上による効果の一つですが、神経細胞(ニューロン)同士の繋がり(シナプス)が強化されることで、より強固な神経細胞同士のネットワークが構築され、情報処理能力が上がることによって、集中力や注意力が向上することもわかっています。

手軽に実践するコツ

ではこんな良いことづくめの瞑想を手軽に実践するためにはどんな事を意識すれば良いのでしょうか?
実はある程度慣れた人であれば、座禅を組まずとも、立ちながらでも、電車に揺られながらでも瞑想することができる様です。
ただ最初はそう上手くもいかないでしょう。
以下に手軽に続けるためのコツをご紹介します。

①「考えない」事を意識する

DMNを停止させるためには意識して考えない様にすることが基本です。
これが瞑想の原点
「自分の思考」に気づいたらその都度、思考を流す(消す)という動作を繰り返しましょう。

②完璧を求めない

「無の境地」と言いますが、この様な状態に達するには相当な練習が必要です。
それこそ熟練の修行僧レベルの実力がないと至れないでしょう。
私自身「考えない様にすることがそもそも思考なのでは?」と難しく考えすぎて一度挫折しましたが、「考えない」ことを意識するだけでも十分に効果が得られますので、完璧を求めず、気を楽に持って継続を意識しましょう。

③姿勢を整える

瞑想には特に決まった姿勢はありませんが、姿勢を整えて維持することに意識を向けることで雑念(思考)を排除しやすくなります。
私のスタンダードは椅子に浅く座り、椅子の高さを調整して膝を90度に曲げ、背筋を伸ばします。
姿勢を継続的に意識することで集中力が高まるという研究結果もあるのでまさに一石二鳥です。

④鼻呼吸を意識する

口呼吸と比較し、鼻呼吸の方がより前頭葉での酸素消費を促す効果があることがわかっています。
つまり、鼻呼吸でより多くの酸素を前頭葉に送りこむことで効果的な休息効果が得られるということです。

⑤上下の歯を浮かす

人は緊張状態では歯を噛み締める傾向がありますが、リラックスしている状態では、上下の歯は少し隙間が空いています。
顎の力を抜き唇は閉じつつ、上下の歯が触れない様少し間隔をあけ、舌は先端が少し上顎に触れる状態が理想。
これにより、鼻呼吸を維持しやすく、意識の矛先を口元に向けることで無駄な思考も排除しやすくなります。
またリラックス状態に形から入ることは認知的不協和を起こし、精神をよりリラックスさせやすくなる効果も期待できます。

認知的不協和については詳しくはこちらの記事をご覧ください。
無理なく習慣を変える!心理学を利用した習慣化メソッド

⑥タイマーをセットする

「もうそろそろ終わろうかな」
「まだもうちょっと続けようかな」
という思考が生まれないために、あらかじめタイマーをセットしておくこともオススメです。
この他にも思考のタネになりそうなことはあらかじめメモに書き留めておくなりして、頭の中をスッキリさせた状態で行うとより瞑想状態に入りやすくなります。

瞑想実践の目安時間

基本的に瞑想はすればするほど効果が得られますが、「20分×週4回」を継続することで集中力が向上するという研究結果が得られている様です。
まずはここを目標に少しづつ取り組んでいけばよいでしょう。
また他の研究では瞑想の累計時間時に応じて脳機能が高まることも明らかになっていますので、目安にこだわらず、可能ならばどんどん時間を延ばしていくのもよいでしょう。

まとめ

ここまで瞑想についてその効果やコツをご紹介してきました。
瞑想を行うコツを以下にまとめます。

瞑想実践のコツ

  1. 「考えない」事を意識する
  2. 完璧を求めない
  3. 姿勢を整える
  4. 鼻呼吸を意識する
  5. 上下の歯を浮かす
  6. タイマーをセットする

まずは「20分×週4回」を目標に行ってみましょう。

脳の動きや成長は実感するまでに時間がかかりますが、私自身、仕事や日々の生活において、明らかに効果が得られた実感があります。

脳は幾つになっても成長する。
けれども扱い方を知らなければすぐに衰える。

この記事が少しでも皆さんの参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。